デザイン費用について考えてみた。
パソコンでチャチャっと簡単にできるんでしょ。
まぁデザインの発注というのは簡単に出来るものでして。この発注の仕方が良いのか悪いのかはさておき。
デザインにかかる費用と言えば、基本的にデザイナーの人件費だけです。デザイナーが使用する紙やペン、Macの電気代、プリンターのインク代や用紙代などは、あってないようなものですし。じゃぁ、デザインそのものにどれくらいの費用を払えば良いのか?と思うと思うのです。
デザイン費用はどれくらい払うべきなのか?
これを考えるとき、そのデザインにはどれくらいの価値があるのか…を考えれば良いかと思うのです。そのデザインが使われる規模、影響力、使用頻度、ブランド力、伝播力、などなど。
さらに言えばそのデザインのおかげで実際の利益がどれくらい生じるか、なども考慮するべきでしょう。加えて、発注者側の思想や決意なども加味される必要があると思います。
ホンキの全国的な企業がロゴを発注した場合と、近所のオバサマたちがノリでやるイベントのロゴの制作費は、同じデザイナーが制作したとしても値段がまったく違って当たり前と言うことです。(良いデザイナーはどちらのロゴも手を抜かずに丁寧にそのイメージ通りに作り上げます)
高価格と低価格のデザイン費用の違いって?
ミシュランの三つ星シェフの料理を1度だけ食べたことがあります。言葉を失うほどに激美味でした。料理を食べるという行為が、まるで超大作の映画を一本観るようなワクワクしっぱなしで、舌でも脳でも目でも全身で楽しめるものとは知りませんでした。お値段はコース料理で5万円ほどでしたが、その価値は確かにあったと思うのです。
また、スーパーの惣菜も結構な頻度で買っています。いろいろ買っても2,000円もいかないくらいの値段です。どちらも満腹になる料理には変わりないのですが、三つ星シェフとスーパーの惣菜セットのお値段の差額は25倍以上。何が違うのかと言えば、素材・技術・ブランド力・演出力が違うのだと思います。それはデザイナーにも同じ事が言えると思うのです。
三つ星シェフ級のデザイナーとは
- 素材…今まで見てきたり、体験したりして、脳味噌の引き出しに集めたデザインの素材が一流の良い物で溢れている
- 技術…文字組みからレイアウトはもちろん、発想や着眼点に至るまで卓越した技術とひらめきを体得している
- ブランド力…築き上げてきた信頼や実績に基づいたデザインの評価が高い。また今までどれくらいの価格帯で制作をしてきたかも関係する。
- 演出力…作ったデザインをどのように演出すれば最高に生きるかなど総合的にデザインを深く理解している(媒体や空間演出など)
そこまで考えてから、デザイン費用を安くするのか否かを考えると、おいそれと安くて良かった♪ウフフフ とはならないと思うのです。
デザインに対する適正の対価を払ったと自信を持って言えるなら、発注した側もそのデザインの価値を理解しているといえるかもしれません。
制作にかかった時間 = 費用では無い
興味深いのはデザインの制作にかかった時間 = 費用では無いところ。どんなにがんばって時間をかけたからといって高い制作費を請求して良いわけでは無いと思います。逆にあまり時間がかかってないだけの理由で安価になるわけでもないのです。*1
とはいえ、それなりのデザインを作ろうと思うと、いくつものアイデアを取捨選択し、出来上がったものを何度も見返し推敲を重ね、少しも妥協すること無い完璧なバランスを見極めなければなりません。
狙い通りのコンセプトを反映しているか、このデザインを見る第三者に、制作側の意図した通りのイメージを的確に伝達できるかなど…。やはり良いデザインを作るには、それなりの経験と時間がかかるものです。
これらを理解した上で、じゃぁどこまでなら値段を下げれるの?…という、まぁ結局無い袖は振れないからね…とつづく話なのですけどもʕ•̫͡•ོʔニョロ~ン
関連リンク
デザイン料金に対する考え方 | Rain Design ラインデザイン事務所
*1:appleの林檎マークを描こうと思えば、ほとんどのデザイナーはillustratorを使えば10分もかからず描いてしまうでしょう