秘技マサル会議と犬

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ふんわり透明感のある写真を撮るポイント - カメラ編

前回は「やんわり透明感のある写真を撮る方法」の光についてまとめました。今回はカメラ側についてまとめます。写真の知識がある人なら当たり前のことですが、以前は知らずに苦悩していたポイントなので書いてみようと思います。

The Two Girls

 

 

白飛びをしないようにできるだけ明るく撮る

ふんわり透明感のある写真は、逆光で撮るのが基本。暗くならないようにできる限り明るく撮りますが、気をつけないと大部分が白飛びしてしまいます。

白飛びとは、カメラが記録できる限界を超えた明るすぎる部分が、階調が失われて真っ白に記録されてしまうことです。

NO MATTER

モニター画面で見るだけなら気にならない人もいると思いますが、白飛びした部分は階調がないためプリンターでは印刷されません。まったく色が付かず用紙の色のまま出力されてしまいます。

少しの白飛びは仕方ないですが、あまりにも白飛びが多過ぎると、真っ白の紙が大半を占めるただの失敗写真になってしまう危険性があります。*1

 

 

後で明るく修正すればいい ではダメ

デジカメでは、白飛びしそうな場面では露出を少し暗めに撮影して、後で明るく修正するのが一般的だと思います。

完全に白飛びした部分は修正することができませんが、暗い部分を明るく修正するのは思った以上にできちゃうからです。

しかし暗い写真を後で修正して明るくした場合と、最初から明るく撮影した場合を比べると、最初から明るく撮影した方があきらかに階調が美しいことに気が付きます。*2NO MATTER

明るい写真なのに、なんだか透明感がなくトーンがザラザラしている写真は、暗い写真をあとで無理に明るく修正した写真が多いです*3

ふんわり透明感のある写真を撮る時のポイントは、白飛びをしないギリギリの明るさで最初から撮影することなのです。

 

 

どうやってギリギリの明るさで撮影するのか

ほとんどのデジタルカメラに搭載されている便利な機能「ハイライト警告」と「ヒストグラム」。これを使えば簡単に、白飛びしないギリギリの明るさで撮影することができます。*4

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特にヒストグラムは便利です。左が暗い部分、右が明るい部分を表しています。一番右端にくっついたグラフは白飛びした部分を表しています。

なので一番右にくっつかないようにグラフ全体の盛り上がりがギリギリ右側にくるようなカメラの露出設定で撮影すればいいのです。

これなら熟練したカメラマンでなくても、白飛びしない限界のギリギリの明るさの写真を簡単に撮ることができます。

カメラの液晶画面でプレビュー画像を確認したら充分明るく見えるのに、ヒストグラムで確認すると意外にまだ明るさに余力があることが多々あります*5

 

カメラ側のポイントまとめ

ギリギリの明るさで撮る
できるだけ白飛びしないように撮る
ヒストグラムでギリギリ右端にグラフがくるように露出をあわせる
後で無理に明るく修正するより、最初から明るく撮った方が透明感がでる

 

 要するに「最初から最大限美しい露出で撮る」という、写真として当たり前すぎることが ふんわり透明感のある写真を撮る最大のコツです*6

次回は、ふんわり透明感のある写真を撮るには欠かせない「ピクチャースタイル*7」と「レンズ」についてまとめてみたいと思います。

 

 

関連記事

 

*1:インクの節約にはとても効果的。とはいえ顔料プリンターで光沢紙にプリントした時の白飛びの違和感と言ったらもう…。

*2:RAWは非破壊データだから後でいじっても壊れない。しかしここで言っているのは階調の豊かさの話。カメラに1〜10までの階調表現領域があるとして、1〜5までの階調を後修正で6〜10まで引き上げるより、最初から1〜10で撮影した方が綺麗なのは当然といえる

*3:現像時の修正そのものをダメだと言ってるわけでは無い。極端に明るく修正すると、階調がどんどん薄っぺらくなっていくというお話し

*4:表示の仕方や詳しい見方は、説明書を読むかググってください

*5:カメラの液晶の画像では、撮影場所の環境光に人間の目が順応してしまうため、明るい場所では相対的に暗く見え、暗い場所では相対的に明るく見える。さらには環境光に応じて自動的にモニターの輝度が変わる機能もついているで、たぶん見た目だけでギリギリの明るさを見極めるのは難しいと思う。

*6:カメラ側の最大のコツ。美しい光を見つける→ できる限り美しい露出で撮る(イマココ) → レンズ → 現像 → 出力 と、まだまだ続くよ

*7:キヤノンカメラの場合は、ピクチャスタイル。Nikonの場合はピクチャーコントロールSonyの場合はクリエイティブスタイル。その他は知らないw