秘技マサル会議と犬

ヤマモトマサルが、デザイン、カメラ、写真、自費出版の写真集のことから雑記までいろいろ書きます。

写真集製作クロニクルVol.2 -参考になった写真集ベスト9- 後編

参考になった写真集ベスト9の続きです。のこりの5冊をご紹介。

今週の一枚「部屋」

 

5-7.写真の構図もトーンもとにかく大好き
milk tea

milk tea

 

earl grey

earl grey

 最近大人気の今城 純さま写真集。おもわず代官山まで逢いに行ったほどめっちゃ好きな写真家。表紙はハードカバーのPP加工。これも表紙の写真部分には透明な厚みのあるUVコート印刷がしてある。本文は普通のマットコート系。残念ながら印刷はあんまり高画質じゃない(笑)  写真は全部大好き。

 

over the silence

over the silence

 

 同じく今城 純さまの昔の写真集。薄めの3冊が簡易ケースに入っている。表紙はソフトカバーのみ。巻きカバー無し。製本も無線とじで、あまりお金がかかってない作り。白を基調としたデザインがセンスよい。本文はめずらしく光沢のあるコート紙。トレーシングペーパーみたいな一枚物の紙にプロフィールなどが書いてある演出も、低予算ながら工夫してあるなと思った。

 

8.質感とデザインが秀逸過る一冊
ESUMI―藤井保写真集

ESUMI―藤井保写真集

 

 江角マキコのヌード写真集。これは友人の事務所に置いてあったのをじっくり観てみた。モノトーンの質感がヌットリと何とも素晴らしい。表紙は表面加工の無いマットな質感。墨を塗ったような感触で、こすると指が黒くなりそうな感じ。本文は肌触りの良いマット系の高級紙。おそらくハイマッキンレーディープマットスノーじゃないか…と思う。*1

 

 9.特殊な製本の写真集といえばこの1冊か
Feather to Fire

Feather to Fire

 

 これも上記と同じ友人の事務所で拝見。革表紙をグルグル紐で縛る特殊な製本。ドラマティックな写真が印象的。本文も和紙に印刷してるようで、ホントに特殊な加工だらけの一冊。少ない冊数ならこういうポートフォリオ的な作りで、手作りというのもありかなと思った。 

その他の写真集もたくさん見たけど、きりが無いので割愛。

 

 

写真集を作るときに決めないといけないこと

プロ達の写真集をじっくりみると、いろんな工夫がしてあることがわかります。自分の写真集はどんな感じで…と夢はどんどん膨らみます。http://instagram.com/p/jLhFGuF6Ur/とはいえ、具体的に写真集を作るとなると仕様をしっかり決めなければなりません。作る前に全部決めたわけじゃ無く、作りながら決めていった部分も多いです。 

 

  • 写真集のサイズ
  • 表紙の仕様(ハードカバー・ソフトカバー・特殊カバー)
  • 巻きカバーの有り無し(帯の有り無し)
  • 本文の紙の仕様(コート系、マット系・普通紙・高級紙・特殊紙)
  • 印刷方法(オンデマンド印刷・オフセット印刷)
  • 印刷冊数・予算
  • デザイン・レイアウトのイメージ

 

最初は、世の中にたくさんある「簡単に写真集を作れるオンデマンド印刷サービス」を利用しようと思ったのですが、いろいろとサンプルを見ましたが、残念ながら今のところ納得いく一冊はないです。*2

以前に比べて安くなったとはいえ、販売を見越して考えると1冊の原価が3,000〜12,000円もかかかっていては、とてもじゃないけど人に売るなんてできません。

というわけで、今回は無謀にも個人レベルでオフセット印刷による大量印刷に挑戦したのでした。

 

[次回の記事]
写真集製作クロニクルVol.3 -自費出版の写真集でこだわった4つのポイント

 

 [関連する記事]
写真集製作クロニクルVol.1 -参考になった写真集ベスト9- 前編 

 

【メモ】少数印刷でいいならぜひ使ってみたいと思った、高品質なオンデマンドの写真集製作サービス

高品質フォトブックのビジュアルブックプロ|アマナイメージズ

Apple - Aperture - プリントサービス

アスカブックについて | アスカブック ASUKABOOK 

 

*1:このあたりの話は、いつか紙を真剣に選んだことを書こうと思うのでその時に詳しくまとめます。

*2:少ない印刷数での写真集の製作は、今のところこれしか選択肢はないと思う。いつかこの写真集サービスの比較をしてみたい。メーカーさんのタイアップ求む♪