ふんわり透明感のある写真を撮るポイント - 光編
透明感のあるやさしい写真を撮れるようになりたいと思ったのは、装苑などで有名なファッションカメラマンの今城 純さんの写真をチェックするようになってから。それからずっと透明感のあるふんわり写真を研究してきました。
いまだ発展の途中ですが、ふんわり柔らか写真を撮るポイントをまとめてみたいと思います。イギリスで撮影してきた写真も明るい写真が多めですが、同じポイントに気をつけています。
ふんわり透明感のある写真とは どういう写真なのか
簡単に言うとコントラストが低めで、全体的に明るく淡い部分が多く、光がにじんでいて、白っぽいけど無駄に白飛びしていない写真のことです。*1
さらに黒っぽい被写体よりも、可愛らしい淡い色の被写体を選んだ方が、透明感のある写真が撮りやすいです。具体的には、ピカピカの漆黒のスポーツカーより、色あせたジャングルジムの方が可愛く透明感があるように撮れるってことです*2。
なるべく光のよい条件で撮影する
光の状態が悪い場所では、どんなにガンバっても完璧なふんわり透明感のある写真は撮れません。デジカメなんだから後でなんとでもなりますっ!なんて言ってるようじゃダメダメです。いくらRAW現像でグリグリいじり倒そうとも、撮影の時にきちんと条件を満たしていなければ、透明感のある美しい写真にはならないのです*3。
光の状態が悪いとは…
- 暗い(光源が近くにない薄暗い室内など)
- 光が強すぎる(コントラストがきつすぎる真夏の直射日光など)
イメージで言うと、暗くザラザラしたり、強すぎてバッキバキしている光では難しいです。サラサラとしたあふれんばかりの柔らかい光が望ましいです*4。とにかく光が綺麗な場所を見つけて撮るのが基本。
一番理想的なのは「よく晴れた日の太陽光が、干してある巨大な白いシーツを透過したときの光」だと思います。そのような場所は 病院の屋上以外ではあまり見たことがありませんが、できる限りそうした好条件の光を探します。特にスナップ撮影で やわらか透明感のある写真が撮りたいときは、まず条件の良い光を見つけてから被写体を探すくらい光の方を優先して撮影しています。
光の条件が良い場所とは…
- 必ず逆光から撮る(光がにじみやすい)
- 陽射しが柔らかいとき(小春日和とか薄曇りの日)
- 朝方や夕方の光(思った以上にふんわり撮れる)
- 日陰で、陽射しぎりぎりあたりの影
- 薄い布や木陰など透過して分散した光(人物撮影では特に効果的)
- 全体的にムラがなく光がまわっている場所(真っ白の壁に囲まれた場所とか)
まずは良い状態の光で撮影するのが、ふんわり透明感のある写真の最大のポイント。個人的には、作られた人工の光より 自然光の方が圧倒的に綺麗だなと思います。
カメラをはじめた頃は、光なんて全部同じに見えていました。しかし経験を積めば積むほど、微妙な光の変化を感じとれるようになっていくのがわかります。ベテランのプロカメラマンは、もっと完全に光を見極めていると思うとワクワクします。
光を選ぶだけで十分にふんわり透明感のある写真が撮れますが、次回はさらにカメラ側のポイントについてまとめたいと思います。
関連記事
- 写真集製作クロニクルVol.3 -自費出版の写真集でこだわった4つのポイント-前編
- 写真集製作クロニクルVol.1 -参考になった写真集ベスト9- 前編
- かねてからブログをしてみようと思っていたのだ。
*1:自分で勝手にそう定義している。単純にハイキーで白飛びしまくった写真は認めない。それは単なる失敗白飛び写真である。
*2:可愛いものほどふんわり透明感のある写真に見える。当たり前だけど、被写体そのものが与える印象はとても大きい。まぁ当たり前だけど。
*3:あくまでふんわり透明感のある写真の場合。RAW現像でいじり倒すことによってしか表現できない写真も多々ある。RAW現像の秘密テクニックについてのブログはこちら神は細部に宿るって言うじゃない?を熟読して、目から鱗を落としてください。マジ必見です。
*4:あくまでイメージでしゃべっております。なんのこっちゃと思うに違いない。